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第 1 章 総則
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第 1 条(目的)
本規程は、差別やハラスメント(以下ハラスメント等)のない、安全で互いに尊重しあえる職場環境を整備することを経営トップが明確に宣言し、これを実践して、全てのステークホルダーが安心して職務に従事できる環境を確保することを目的とする。
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第 2 条(定義)
本規程における「ハラスメント等」とは、以下のいずれかに該当し、職場における労働者等の就業環境を害する言動を指す。
- セクシュアルハラスメント:以下を含む、性的な言動により、労働者が不利益を受けたり、就業環境が害されたりする行為
- 性的な冗談やからかい、卑猥な雑談
- 体形・容姿に関する性的な評価や発言
- デートや身体関係を執拗に要求する言動
- 不要な身体的接触(肩を抱く、腰に手を回す 等)
- わいせつ画像・動画・リンク等の送付・掲示
- パワーハラスメント:以下を含む、優位性を背景に業務上必要かつ相当な範囲を超えて精神的・身体的苦痛を与える行為
- 身体的攻撃:殴打・足蹴り・物を投げつける 等
- 精神的攻撃:暴言・侮辱・⾧時間の叱責・メールでの罵倒 等
- 人間関係からの切り離し:隔離席への移動・無視・挨拶をしない 等
- 過大な要求:極端な⾧時間労働や達成不能ノルマの強要 等
- 過小な要求:能力とかけ離れた単純作業のみを命じる 等
- 個の侵害:私生活・家族構成・信条等の過度な干渉、SNS 監視 等
- マタニティ/パタニティ・ハラスメント:以下を含む、妊娠・出産・育児・介護休業等に関する制度利用を理由として不利益取扱いや嫌がらせを行う行為
- 妊娠を理由に業務を外し、昇進を止める
- 産休・育休申請者に対して「迷惑だ」「評価を下げる」と発言
- 育児時短勤務者に会議招集を意図的に外す
- その他のハラスメント:以下を含む、宗教・人種・性的指向等に関する中傷等、個人の尊厳を損なう一切の行為
- 差別的ハラスメント:宗教・人種・民族・国籍・言語・障がい、性的指向・性自認など個人属性を理由とした侮辱・嘲笑・排除的発言や差別的待遇
- カスタマーハラスメント:顧客の立場としての著しい迷惑行為
- アルコールハラスメント:飲酒を強要し拒否すると人間関係に支障を与える行為
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第 2 章 適用範囲等
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第 3 条(適用範囲)
- 1. 本規程は、当社の役職員に対する、当社の現在又は将来の役職員、関係する事業者の役職員、既存又は将来のポートフォリオ企業の役職員、関係する事業者の役職員、既存又は将来の投資家(総称して「ステークホルダー」)によるハラスメントを対象とする。また、ステークホルダーに対する、当社の役職員によるハラスメント等も対象とする。
- 2. 適用の対象となる場所は、オフィス、その他業務が行われる場所(会議、イベント、懇親会、営業先等)、オンライン会議、電子メール、チャット等が含まれる。
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第 4 条(基本方針と経営陣等の責任)
- 1. 当社はハラスメント等を一切容認しない。ゆえに、当社役職員は、ハラスメント等が、違法ではない場合、あるいは事例として明示されていないものも含んでいる概念であることを認識し、ハラスメント等は全て禁止されており、容認されないことに留意しなければならない。
- 2. 経営陣は社内のあらゆるレベルでハラスメント等の禁止に積極的に取り組むことに尽力する。
- 3. 経営陣は、本規程違反を認識した場合、その事実と状況を迅速に調査し、即時かつ適切な是正及び予防措置を講じる。
- 4. 管理職や上席者は、本規程違反の行動に対して積極的な対応を取る必要がある。また、ハラスメント等違反が報告された場合、速やかに調査を行うか、コンプライアンスグループへ報告する義務を負う。
- 5. 管理職や上席者は、違反を認識の上で迅速に報告しない場合、就業規則第 8 章第 2節(懲戒)に定める戒告・譴責・減給・出勤停止・降格・諭旨解雇・懲戒解雇のいずれかの懲戒処分の対象となる可能性がある。
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第 3 章 教育・通報・調査
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第 5 条(教育・研修)
年 1 回以上、役職員向けにハラスメント等防止研修もしくは理解テストを実施し、受講状況はコンプライアンスグループが記録する。
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第 6 条(相談・通報窓口)
- 1. 通報窓口は以下のルートを設け、加害者と通報先が同一の場合においても被害者が別ルートに通報できるようにする。
- 2. 通報・相談にあたっては、匿名も可とするが、以下の情報が含まれることが推奨される。
- ① 被害者名及びその連絡先
- ② 事象に関与した人物名及びその連絡先
- ③ 目撃者名及びその連絡先
- ④ 発生日時及び場所
- ⑤ 状況、具体的な言動
- ⑥ 証拠
- ⑦ 希望する救済措置
- 3. 通報者・協力者に対する脅迫・威圧・報復・強要・ハラスメント等は、一切容認しない。
- 4. 通報を受けたコンプライアンスグループは、受付後速やかに事実確認を開始し、必要に応じてコンプライアンス委員会に報告する。
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第 7 条(調査手続)
- 1. 調査はコンプライアンスグループが実施し、加害者と調査担当者に利益相反がある場合、あるいは加害者が調査担当者より上位の役職である場合などには、第三者(外部弁護士等)を指名する。
- 2. 調査の進捗および結果は、適宜コンプライアンス委員会に報告し、その承認を得たうえで是正措置を決定する。
- 3. 調査結果および是正措置は、被害者および加害者双方に通知する。
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第 8 条(是正措置)
- 1. 認定されたハラスメント等行為に対しては、就業規則第 8 章第 2 節(懲戒)に定める戒告・譴責・減給・出勤停止・降格・諭旨解雇・懲戒解雇のうち適切な懲戒処分を適用するほか、行為者の異動等、被害者の労働条件及び就業環境の改善のために必要な措置を講じる。
- 2. 懲戒対象外の場合でも、注意または厳重注意、再発防止研修の受講など必要な措置を講じる。
- 3. ハラスメント等が関係する事業者、契約者、顧客その他の第三者によるものである場合、取引を終了することを含む適切な措置を講じる。
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第 9 条(記録の保全と秘密保持)
- 1. 調査記録(事案詳細を含む申し立ての写し、調査資料、報告書、当事者への通知、是正措置の記録等)はコンプライアンスグループが 5 年間保存する。
- 2. 通報・相談、調査に関与する者は厳に機密を保持し、必要不可欠な場合・範囲を除き情報を他者に開示しない。
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第 10 条(問い合わせ先)
本規程に関する問い合わせ先はコンプライアンスグループとする。
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第 4 章 投資先に対する措置
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第 11 条(投資先対応)
- 1. 投資検討時:受領情報の精査および役員へのインタビュー等による調査を行い、必要に応じて表明保証を受けるなどの方法により、重大なハラスメント等事案の有無を確認する。
- 2. 投資後:投資先に対し、ハラスメント防止規程の制定を促進・支援する。また、重大なハラスメント等事案の有無を定期的なミーティング等で確認し、問題が検知された場合は、その是正を要請し、それでも改善が見込めないときは、株式売却を含む投資方針の見直しを検討する。
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第 5 章 雑則
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第 12 条(改廃)
本規程の改廃は、取締役会の決議によるものとする。ただし、軽微な変更および別紙の変更は、代表取締役社⾧が行うことができるものとする。
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附 則
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1. 本規程は 2025 年 6 月 19 日から施行する。